最近、フルートパートに新入生が入部したんだけど、上手く教えられないニャー。教えたいことが、なかなか上手に言葉にならなかったりして・・・
わかるよー。僕も最初は全然上手に教えられなかったから。
えっ、T先生も?
うん。自分の技術を人に伝えるのは、本当に難しいと思う。
じゃあ今日は、フルートを教える時のコツを紹介するね。これを知っておけば、きっと今よりも後輩の指導がしやすくなると思うよ。
「教える」ことのメリット
そもそも僕の練習時間が減って、下手になったりしないかな
いやいや、逆にフーニャが上手くなるチャンスだよ
人が知識や技術を身につける過程は、見たり聞いたりして学ぶこと(インプット)から始まりますが、今度はその知識や技術を人に説明すること(アウトプット)で、より明確に定着します。
「教える」ことはまさにこの「アウトプット」です。
これまで自分が覚えてきたことを自分なりの言葉で説明しようとする事そのものが、実力アップに繋がります。
後輩が入部してくるというのは、自分にとっても大きな実力アップのチャンスです!
ぜひ積極的に指導する時間を作ってください。
フルートを教えるコツ
大事なことは何度も繰り返し伝える
「教える」ことはとにかく「根気・忍耐」が必要です。
10のことを教えたとして、3できれば十分と考えましょう。
「こうやってみて」と言っただけで、すぐできる人は、10人に一人もいません。
すぐにできなかった練習は、考えたり個人練したりする時間をあげてください。
伝えた事ができるまでの期間は1日なのか、1週間なのか、1ヶ月なのかは生徒さんの個性によります。
もし身につけて欲しい大事なことがあれば、決してイライラせず覚えるまで何度も、毎回初めて教える時のように繰り返し伝えてください。
教わる側にとって、先輩、先生は思っている以上に怖〜い存在です。
萎縮してしまっては身につくものも身につきませんし、本来持っている能力の半分も発揮できません。
ぜひ緊張を解きながら優しく教えてあげてください。
僕も先生に根気よく教えてもらった事は、今でも頭に残っていて、自分の実力を支える大切な思い出になってるんだ。
グループ指導よりも個人指導で教える
もし教える相手がたくさんいる場合は、一度に全員教えるグループ指導よりも、一人ずつ教えるマンツーマンの方が指導の効果があります。
例えば30分の指導の時間があって、後輩が二人いたとします。
その場合30分グループレッスンをやるよりも、それぞれ15分一人ずつ教えるといった感じです。
なぜかというと、後輩達はそれぞれ上達のスピードが違うからです。そうなると指導の内容も変わってきます。
一人を指導をしている間、別の後輩はそれを見ていても良いし、別の場所で個人練していても良いです。
最初は何を教えたらいいの?
頭部管を使った音の出し方
人は楽器を持ったら、とにかく音を出してみたい!と思うのが普通です。
しかし、フルートは息さえ出せば音が簡単に音が出る、という楽器ではありません。
ですので最初は楽器は組み立てずに、頭部管だけを使って練習していくことになります。
最初は中々音が出ない人も割とと多いので、先輩の皆さんは焦らず下の記事の内容をチェックして、時間をかけて音を出すコツを掴んでもらって下さい。
楽器の組み立て方、片付け方と手入れ
頭部管の練習と並行して、楽器の組み立て方や手入れの方法を教えていきましょう。
組み立てる際は、一緒に楽器のパーツの名前(頭部管、胴部管、足部管、キー等)を一緒に覚えてもらうようにして下さい。
指の置き方、楽器の支え方、姿勢
頭部管で音を出すことに少し慣れてきたら、曲を吹かせてみたい!
・・・のですが、その前に準備すべき内容をしっかり確認しましょう。
ここで身につける指の形や姿勢は、一度覚えると後で直すのが大変ですので、1度教えただけで終わらせずに適宜チェックして修正して挙げて下さい。
演奏するのが簡単な曲集、教本の曲の練習
姿勢や基本的な奏法がある程度できてきたら、演奏するのが簡単な、フルートのために書かれた曲集や教本を使う方が教える側、教わる側両方にとってレッスンがしやすいです。
おすすめはカワイの「はじめてのフルート」シリーズですね。
楽譜の読み方
人によっては音楽経験が少なく、楽譜を読むことに苦労する後輩もいると思います。
この動画から、基本的な楽譜の読み方を学ぶのも良いかと思います!
上で挙げているカワイの「はじめてのフルート」に掲載されている簡単な曲であれば、楽譜を読む練習としてとても便利です。
自分も教える内容をしっかり確認しよう
自分が教えたいテクニックがあったとして、もし内容に自信が無ければ、予習して確認しておくと安心です。
僕のYouTubeの動画やブログで検索すると色々出てきますので、ぜひ活用してください。
「初心者」カテゴリーには楽器名称から楽器の組み立て、姿勢など最初に身につけておきたい内容がまとまっています。
T’sフルートアカデミー:初心者カテゴリー
基礎練習として、どんな場面でも使いやすい発音練習も、知っておくと便利です。
こうやって教えることでテクニックの復習もできるから、ますます実力アップできるわけだね
ニャルほどー。