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【知らないとヤバい】フルートの「息のスピード」のお話

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ここでは音の高さを吹き分けるために重要な、フルートの「息のスピード」について解説します!

フーニャ

T先生〜。フルートを吹いていると、時々音がひっくり返る時があるんだけど、どうしてかニャ?

T先生

それは多分、その音に対して息のスピードが速すぎるせいだね

フーニャ

息のスピードかあ。確かに息のスピードかあ。確かに吹きすぎていたかも・・・

T先生

フルートの息のスピードは、高い音になればなるほど速くなって、低い音になればなるほど遅くなるんだ。それぞれの音の高さに適切な息のスピードがあるってことだね。

フーニャ

なるほどー。じゃあ弱く吹けばいいの?

T先生

「息のスピードをゆっくりにする」ってこと。「弱く」吹くとはちょっと意味が違うんだ。

フーニャ

うーん?どういうことだろう?

T先生

いい機会だから、今回は音の高さと息のスピードの関係について説明しようか。フルートを演奏する上でとても大切なことだから、しっかり勉強してね。

フーニャ

はーい!

フルートの息のスピードは、音の高さに比例する

フルートの息のスピードは、高い音になればなるほど速くなり、低い音になればなるほど遅くなります。つまり、それぞれの音の高さに対して、適切な息のスピードがあります。

メロディを演奏する際も音の高さの変化に合わせ、スピードを柔軟に変化させていくのがフルートの奏法です。

音の高さの変化を意識して、それにあった息遣いをコントロールすると、さらにフルートの音の魅力を引き出せるようになります。

高さに併せた息のスピードの変化は、初心者の時からしっかり意識して習慣づけるようにしましょう。

なぜ息のスピードを変える必要があるのか

T先生

例えば、オクターブが同じ運指の場合、どのように吹き分ける?

フーニャ

そっか。息のスピードを変えて吹き分けてるニャ

同じ運指で高さの違うオクターブが出せる原理

頭部管から、キーの解放部まで空気の波が一つだと1オクターブ目、二つだと2オクターブ目が出ます。

ヤマハのサイトに掲載されている動画が分かりやすいです。倍音になった時の映像が一瞬だけなのですが・・・

息のスピードを上げると管内の空気の圧力が高まり、1オクターブ目の波とキーの開放部からの反射波が干渉して、2つの空気の波ができます。そのため振動数が倍になり、オクターブ上の音が出ます。

ちょうどギターの弦を、半分抑えるとオクターブ上の音が出るのと同じ原理です。

キーの開放が頭部管に近く(音が高く)なると

ドからシの音まで順に吹いていくと、キーの開放部は徐々に頭部管に近づいていきます。

フルートの発音に必要な空気の波を作るには、短い距離になればなるほど多くのエネルギーが必要になります。この場合の空気のエネルギーとは、風速(=息のスピード)です。

フーニャ

難しくて頭がこんがらがってきたニャ

T先生

電線に風が当たった時、風速が増すと音も高くなるよね。そういう感じで、高い音には速いスピードの息が必要だってことを踏まえておけばOKだよ

息のスピードを意識した演奏

T先生

適切なスピードに変化させてメロディやフレーズを吹けたら、なぜフルートの魅力を引き出せるかを説明するよ。

音の高さと聴き手が受ける印象

音楽をシンプルに考えると、音が高くなったら盛り上がり、明るく、華やかになります。

逆に、音が低くなったら落ち着く、暗くなる、終わっていくという印象になります。

フルートの音色は、高音は明るく華やかで、低い音は暖かく、落ち着いた音です。音の高さに適切なスピードで吹くとこの性質を強調して、しかも自然に表現できます。

フルートの作品はこの性質を考慮して作曲されているので、息のスピードの変化を意識するだけでも曲の魅力を引き出すことができます。

T先生

よくメロディの歌い方が分からないって人がいるんだけど、音の高さの変化を意識せず、息のスピードも一定で吹いてしまっている場合が多いんだ。

フーニャ

ニャルほどー。息遣いを高さに合わせて変えることが、フルートでメロディを演奏するってことなのか。

T先生

そうだね。「風」を音楽にする楽器、それがフルートなんだ。

練習方法

フーニャ

息のスピードのコントロールが大事ってことは分かったんだけど、どうやったらスピードを変えられるの?

T先生

「息の届く距離」をイメージすると分かりやすいよ

例えば、遅い息は近くまでしか届かず、口元のロウソクの火を吹き消さないようなイメージ。速い息は遠くまで届いて、床のホコリを吹き飛ばすようなイメージです。

音の高さに合わせて、この幅を段階的に変化していくことになります。

速い息を支えるためには、アンブシュアの安定も欠かせません。アンブシュアも合わせてチェックしましょう。

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音階練習

息のスピードのコントロールとして、音階練習は基本中の基本。音階のパターンはアルテ教則本に掲載されているものが定番です。

T先生

遅い息、速い息の差をしっかり使って演奏してみてね。それぞれの音域でどのくらいの速さがちょうど良いか、よく耳を使って練習しよう。

ソノリテについて

音色の均一性を目指すトレーニングの「ソノリテについて」。均一を保つために、息のスピードは適切に変えていかなければなりません。維持するポイント、変えるポイントをこの練習で確かめることができます。

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T先生

「ソノリテについて」の教本にある「アタックと音の連結」という練習も、息のスピードのトレーニングにとても有効だよ

各種エチュード

実践的な息遣いのトレーニングには、やはりエチュードが効果的です。フルートのために書かれたエチュードは、フルートにとって得意な形、あるいは苦手な形など、さまざまなパターンを効率的に学ぶことができます。

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基礎練やパート譜しか練習したことがない吹奏楽部の生徒さんは、ぜひ何か一つでもエチュードに取り組むことをオススメするよ。こちらで僕が一番有名なエチュードをシリーズで解説しているよ。

まとめ

T先生

息のスピードのコントロールは、どんなに経験を重ねても忘れてはいけない大事な基本なんだ。初心者のうちから意識して、音に合わせて変えていく習慣をつけたいね。

フーニャ

う、うん。やってみる。

T先生

大丈夫大丈夫。きっとこれからのレッスンで何度も言うことになるから。これを押さえておくと、色々なテクニックの説明が上手くいくんだ。少しずつ身につけていけOKだよ

フルートの息のスピードは音の高さに比例し、高い音になればなるほど速くなり、低い音になればなるほど遅くなる。

息のスピードを適切にコントロールすることは、フルートの良さ、メロディの魅力を引き出すために必要なテクニック

初心者から、どんなに経験を重ねたベテランでも、忘れてはいけない大事な基本