T先生、低い音を出すコツ教えてー。
ん、どうしたの?
最低音のドが、なかなか出なくて・・・出るときは出るんだけど
なるほど。確かに、その音は出しにくいよね。
低い音になれば、息のスピードはゆっくりになるんだよね?
そうそう。だけど最低音を出すには、そこにもう少しコツが必要なんだ
そうなんだ!じゃあそれを練習したら、出るようになるかな?
きっと出しやすくなると思うよ。じゃあ、今回は低いドの出し方を解説しよう。
お願いしまーす。
ある程度指向性を持った息が必要
フルートの息のスピードは音の高さに比例し、高い音になればなるほど速くなり、低い音になればなるほど遅くなります。
最低音のドを出す場合、全てのキーを塞いで、フルートの管の長さを最大で使うことになります。
その状態で音を出す場合は、歌口から最も遠い足部管の端まで息を届かせる必要があります。
しかし、管の長さが長くなるほど、管の中に含む空気が多くなり、息を入れるときの抵抗が大きくなります。
息をゆっくり吹かなければならない。しかしゆっくりしすぎると空気抵抗で弾き返されてしまう。これが最低音が出しにくい要因です。
息の形のイメージ
息を足部管まで通すためには、空気の抵抗に負けない指向性を持った息が必要です。
イメージとしては、口から出た息が扇状に散るのではなく、
ストローで吹いたようにまとまっている形です。
息のまとめ方
まとまった息を出すには、もちろんアンブシュアは小さい方が有利です。
アンブシュアを小さくした上で、顎をリラックスして口の中に空間を作ると、息をまとめることができます。
口の中が狭いと、口から出た息が広がりやすくなります。
口の中を開けるにはどうするの?
例えば、上下の奥歯の隙間を開けるような感じかな。柔らかいグミを潰さないように噛んでいるイメージをしてみて。その時にアンブシュアも一緒に開かないよう注意して。
息の角度はしっかりつける
低い音を吹こうとした際、ついうつむいて吹いてしまう方がいますが、逆に音のコントロールがシビアになるのでオススメしません。
なぜかというと、フルートの歌口と唇の間で音が発生しているためです。
低音であっても、歌口と唇の程よい距離は保つようにしてください。
歌口と唇の距離を保つ場合、真っ直ぐ息を出しても音が出るポイントに当たらないので、角度をしっかりつけて吹くことを意識しましょう。
息の角度の付け方は、アンブシュアのコントロールが重要です。
楽器の調整は万全に
最低音のドは、全てのキーが塞がります。
どんな楽器でも使っているうちに、タンポの劣化やキーの連動が変化などで、キーがしっかり塞がらなくなります。
キーに隙間がある状態では、やはり音が出しにくくなります。
もし、どんな方法を試しても上手くいかない場合は、楽器の調整に出す必要があるかもしれません。
少なくとも1年に1回、理想は半年に1度は、故障がなくとも調整に出して状態を見てもらってください。
まとめ
どうだった?こんなふうに、息の形、角度に気をつけて吹いてみてね。
う、うん。難しそうだけど、頑張ってみる!
息のスピードはもちろん必要以上には速くできませんが、空気の抵抗に勝るくらいにはスピードも必要になります。
いきなり最低音のドを出すのが難しい場合は、それに近いレや、ミの音から音を探っていくのも有効です。
レやミで音が出しやすい吹き方は、ドも出しやすいです。