この記事を読めば、ピッコロとフルートの違いがわかり、ピッコロを吹きこなしやすくなります!
T先生、最近ピッコロに興味があるんだけど、僕でも吹けるかな?
そうだね。指使いはフルートほとんど一緒だから、そこは違和感なく吹けるよ。
へー!ぜひやってみたいニャ
ただ、フルートと似てるとはいっても、やっぱり違う楽器なんだ。実は、ピッコロがなかなか上手く吹けない人は、フルートの奏法のままで演奏してしまっている事も多いんだ
そうなんだ。じゃあまず、ピッコロのことを良く知ってからチャレンジした方がいいニャ
では今回はピッコロとフルートの違いについて、解説していこう。これからピッコロを始めようとしている人はもちろん、今ピッコロをなんとなく練習している人も必見だよ!
サイズが小さい
今までフルートを練習していた方が、ピッコロを持ってまず戸惑うのが、楽器が小さいということ。
サイズが小さいことによって、フルートの奏法と色々違いが現れます。
歌口の幅が小さい
歌口の口元が当たる側から息が当たるエッジまでの幅は、フルートに比べて1ミリ前後小さくなります。
たった1ミリ?ほとんど変わらない気がするけど・・・
されど1ミリだよ。綺麗な音が出る、出ないは0.1ミリ単位でのコントロールが必要なんだから
幅が小さくなると、音が出るポイントがフルートよりもやや手前にくることになります。
そのためピッコロの音の発音には、より一層角度をつけて息を吹くことが必要になります。
管が細い
管が細いと、吹き込める息の量が限られます。ですのでフルートに比べて使える息の量はかなり少なく、1、2オクターブ目あたりのメロディを上手く吹くと、息が余るほどです。
そのため、ブレスの際は一度余った息を吐いてから、改めて吸うなどの動作が必要になることがあります。
よくフルートの奏法のままピッコロを吹いている人は、息が多すぎてオーバーブローして、音を壊してしまっていたりするんだ
楽器に大きさに合った息遣いが必要なんだニャ
形状が異なる
胴部管が円錐形
フルートとの大きな違いとして、ピッコロの胴部管は、胴部管の接続部から右手小指のDisキーに向かって少しずつ細くなる、円錐形をしています(フルートは円柱形)。
この場合、比較的高音から低音の音色を均一にしやすいのがメリットですが、低音の音量が出せないというデメリットもあります。
低音から高音、あるいはその反対の音階を演奏する場合、やはりコントロールの仕方が変わってきます。
最近は円柱形のピッコロも開発、販売されているよ
(外部サイト)山野楽器 –ナガハラ・ミニ
歌口にリッププレートが無い(ことが多い)
ピッコロは木製が主流で、フルートのようなリッププレートが無いタイプが多いです。
そのため歌口のエッジあたりが分厚くなり、抵抗感のある吹き心地になります。
ピッコロは繊細な息遣いが必要だから、逆にその抵抗感を利用して、微妙なコントロールすることができるんだ。
ニャルほどー。抵抗感があるのは悪いことでは無いんだニャ
リッププレートが無い代わりに、歌口周りの形状にバリエーションがあります。
ストレートタイプ
管に垂直に穴を開けたそのままの歌口。抵抗感が強く、材質や設計などによる音色の違いが出やすいので、多彩な表現ができます。
ウェーブ(波型)タイプ
歌口のエッジの部分が薄く、吹奏感に抵抗が少ない。息も入りやすくなるので、フルートから持ち替えた時の違和感が少ないです。音色のコントロールには少し苦労するかも。
ストレートとウェーブ、どっちがオススメ?
頻繁にフルートとピッコロを持ち変える人はウェーブかな。ピッコロだけで曲を演奏したりする機会がある人は、ストレートかなと思うけど、最終的には試奏して感触を確かめることだね。
メンテナンス
専用のスワブで演奏中もマメにクリーニング!
ピッコロは管が細く、トーンホールも小さいため、水滴はパフォーマンスの大敵です。練習中、演奏中であってもマメに拭き取りましょう。
組み立てたままでもクリーニングできる専用スワブがオススメです。
スワブは必ず自分のそばに置いて、暇な時はすぐクリーニングする習慣をつけてね。
定期点検は頻繁に
楽器が小さいだけに、楽器の状態が演奏に与える影響はフルートよりも大きいです。タンポの状態や、キーのふさがり具合など、フルート以上に気を使ってください。
半年に1度は大きな故障がなくても、リペアマンに点検をしてもらうようにしましょう。
フルートの実力は腕9割、楽器1割。ピッコロの実力は腕6割、楽器4割。なんて言われたりするよ
それだけ楽器が重要なんだニャ