フルートを吹く時の口の形って、どう作ればいいかイマイチ分からないニャー
アンブシュア(口の形)は10人いたら十通りのやり方があって、これ!っていう正解も無いからね。
だとすると、やっぱり全部自分で考えて、身につけていくしかないの?
そうとも限らないよ。フルートの音がどうやったら出るか、から順番に考えていけば、ある程度作り方の方向性は見えてくる。そこから自分なりにアレンジしてみるのが一番いい方法かな。
ニャルほど!ぜひそれを知りたいニャー
じゃあ説明していこう。
フルートはどうやったら音が出るか
フルートは歌口に入った息(正確には歌口のエッジに当たった息)が音になります。
フルートを口に当てた時、歌口は唇より下にあり、しかも上を向いていますので、口から真っ直ぐ息を出しても音は出ません。
音が出ている時は、必ず斜め下に向かって息が出ています。
最大限、息の角度を浅く、または深く取るそのどこかの間に、自分にとって良い音の出るポイントがあります。
音色の良し悪しは、良い音の出る角度を的確に捉え、安定してコントロールできることが重要になります。
息の角度の付け方
上下の唇の位置
上唇が下唇より前にあり、さらに上唇を下唇に被せると、息の角度がつきます。
顎の位置
顎をリラックスさせて奥歯を軽く開くと、少しだけ前後に動かせます。
上の歯より下の歯が後ろになるようにすると、さらに息に角度がつきます。
口の中にも少し空間ができることになります。
唇と顎の位置。この二つを変えて最適な息の角度を探ってみてね。
顎を動かすことは意識してなかったニャー。試してみよう。
顎の位置が自由に動かせることは、様々な面でメリットがあるので、ぜひ意識して練習してみて。奥歯にグミか何かを潰さないように挟んでいるつもりにすると、上手くリラックスできるよ。
唇の力の入れ方
唇は息を吹き出す風圧に対抗するため、ある程度の力が要ります。
もちろん必要以上に力を入れても疲れてしまうので、どこを意識したら効率よく息をコントロールできるのか、試行錯誤しながら少しずつ身につけていきましょう。
歯から浮かさない
息は口腔からから口の外に向かって出ていきます。唇はその風圧に対抗しなければなりません。
上唇の場合、上の歯に密着させ、安定させます。
鼻の下を伸ばして、歯より下に下げる感じにすると、密着します。下唇も同様に、歯よりも上に持ち上げます。
息を吹くときは前歯は開いて、唇は閉じ、純粋に唇だけで息を受け止めるている感じです。
唇の横は、微笑む程度に
口の横を引きすぎても、アンブシュアの安定には直接繋がりません。輪ゴムの端を引くと中央は一応閉じますが、簡単に開いてしまうのと同じです。
かといって、口笛を吹くように「う」の口の形にすると、逆にアンブシュアが大きくなってしまいます。
唇の横の幅は、平常時と同じか、もしくは軽く微笑む程度と考えてください。
アンブシュアの形
アンブシュアは小さい方が色々な面でメリットがあります。
使える息は少なくなりますが、それを最大限に活用して効率よく音にすることこそ、目指すべき目標です。
縦の大きさ
アンブシュアの縦の大きさは、紙1枚分くらいが理想ですが、それを維持するにはかなりの練習と経験が必要です。
まずは、今の状態から縦の大きさを半分にすることから意識しましょう。
上唇をどれだけ下唇に被せるか、その状態からどれだけ上下の唇を接近させるか、息の角度との兼ね合いを意識しながら試してみてください。
横の大きさ
歌口の幅と同じか、それよりも小さくなることを目標にしてください。
バジングが起きてしまう場合
息を吹いている時に上唇と下唇が接触すると、バジング(ブーという音)が鳴ってしまうことがあります。
その場合は上唇と下唇の間隔を少し離してください。
トレーニングを重ねて唇周りの筋力がついてくるに従い、小さい穴でもアンブシュアを支えられるようになります。
練習方法
発音練習
以前解説した、発音練習はアンブシュアを意識するのにとても良いトレーニングになります。
ソノリテについて
アンブシュア(音色)の安定を目的とした教則本。
音を移動したり、様々なアーティキュレーションを演奏しても、音が出るポイントを捉えるトレーニングができます。
まとめ
最初にも言った通り、アンブシュアは人によってそれぞれで、今回説明したことが全てでは無くて、他にもやり方はあると思う。色々試してみて、自分に合いそうな方法を取り入れてみてね。
うん、やってみる!
面白いのは、今の自分のやり方と矛盾することがあっても、練習や経験を積むと、それを両立させる方法が見つかったりするんだ。
へええー。不思議だね。
それが自分なりのやり方を見つけるってことなんだと思う。「こうでなければいけない」っていう考えは捨てて、その時その時で上手くいくやり方を探って行くと良いよ
はーい頑張ります!